YOSHIKI × トミーライカ



● 和製EVスポーツカー、大阪に見参

いよいよ日本初のEV(電気自動車)スポーツカーが、一般の前にその姿を現す。


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4月26日から開業する大阪梅田のうめきた・グランフロント大阪の中核施設
「ナレッジキャピタル」内、アクティブラボ。
ここに、京都のEVベンチャー、グリーン・ロード・モータース(以下、GLM)が作った、
2人乗りオープンカー「トミーカイラZZ EV」の新モデルが陳列される。
4月2日には新デザインの実車発表会が京都府青蓮院門跡で開かれ、
先行予約の受付も開始される。


GLM「トミーカイラZZ EV」は2012年10月にEVスポーツカーとして、
日本で初めて国土交通省から国内認証を取得。晴れて公道を走るクルマと認定された。
このクルマ、それだけではない。生産は京都舞鶴の小阪金属工業が担当。
さらにモーターやバッテリーなどの部品から装飾に至るまで、
とにかくすべて「京都産」にこだわり抜いているのも特徴である。



■ 出資者には出井氏やYOSHIKI氏も

現行モデルの基である「トミーカイラZZ」は、公道でも走れるレーシングカーとして12年前に、
もともとガソリンエンジン車として発売された。
ソニーのゲーム機「プレイステーション」で発売されたソフト「グランツーリスモ」にも登場するなど、
いまなお根強い人気を保っているクルマでもある。

テスト車に試乗した感じではアクセル、ハンドルの遊びは少なくタイト。
車体の動きがダイレクトに手や足に伝わる。車高も低く路面をより意識させる。
自動車雑誌風に書くと「スパルタンなクルマ」に仕上がっている。

日産自動車「リーフ」や三菱自動車「アイミーヴ」など、大手自動車メーカーのEVとは、
そもそも、まったくクルマの性格や走りの質が違う。
GLMで設計を担当する松本章・プロダクトマネージャーは、
「瞬間加速やスムーズさはエンジン車とは違う」と語る。
回転数とともに出力を高めるエンジンとは違って、EVはモーターで一気に最大出力を出せるからだ。


GLMの出資者には、三菱UFJキャピタルやニチコンなどに加え、出井伸之・ソニー元会長や
江崎正道・グリコ栄養食品元会長、X JAPANのYOSHIKI氏も名を連ねる。
モータースポーツ好きで知られるYOSHIKI氏とは、出資をきっかけとして、
今後、なんらかのイベントやプロジェクトに発展する可能性もありそうだという。


■ 消費者の顔が見えるクルマ作りを

「新しい産業として、自動車業界の一角に食い込むことができれば」と、
夢を語るのはGLMの小間裕康社長だ。
小間社長は、「若者のクルマ離れが言われて久しいが、(原因の一端は)
『面白い』と思えるクルマがなくなっていることもあるのではないか」と、なかなか辛辣。

確かに街を走るクルマを見ると、後ろ姿やフェンダーの形状など似たようなクルマが多すぎる。
一方、自動車メーカーのスポーツカーへの取り組みは、昔に比べると後退している。
日本車メーカー1社で数社種を展開していた時期もあったが、
今やスポーツカーと呼べるクルマはほんのひとにぎり。
採算ラインに乗せる販売台数を確保するのも難しい。

一方、ベンチャーにとっては1000台規模でも十分に大きな市場。
その市場にとんがった商品を投入し続けることができれば、新しい価値を提供でき、
生き残ることは可能だ。
小間社長は多品種少量生産で「消費者の顔がみえるクルマづくりを目指したい」と熱く語る。


■ 初年度は限定100台のみを販売

GLMは「KYOTO生産方式」と呼ぶ、モジュール構造化した車台(プラットフォーム)部分と、
樹脂製のボディカウルとを別々に製造し組み立てる方式を取っている。
実は国交省から認証を取得したのは、プラットフォーム部分だ。
剛性、強度などの性能はプラットフォームのみで完結しており、
バックミラーやナンバープレートなど必要部品さえ搭載すれば、
ボディカウルがなくとも公道を走行できる。

つまり、GLMのプラットフォームを入手し、3Dプリンターなどを使ってボディカウルさえ作れば、
だれでも自分だけの1台を持つことができる。
ラジオ・コントロールカーのように、上にかぶせるカバーを変えれば、
さまざまなバリエーションのクルマを楽しむことも可能。
これはまさにクリス・アンダーソンが語る「MAKERS(メイカーズ)」の世界そのものだ。

GLMではEVメーカーとしてピュアスポーツカーを製造・販売すると同時に、
プラットフォームだけも外販する、ユニークなビジネスモデルを描いている。
実際、国内認証を取ったことを公表してから、中国の市政府や海外の中小車メーカー、
大手IT企業から、車台だけでも売ってもらえないかという引き合いが殺到しているという。

ただ、初年度である2013年度は完成車限定で100台だけを生産し、売り切る予定だ。
生産能力としては600台以上のキャパはあるが、「最初から無理はできませんよ」と小間社長。
あくまで控えめにスタートする構えだが、その将来は刮目に値する。



(撮影:ヒラオカスタジオ)
筑紫 祐二


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