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【 福岡編 ~その壱 】

ここが「TASTE MASTER GOTO THE Ⅲ」が生まれ育まれた所。
なじみも深い。
中洲のネオンはLIVEで疲れた身体を優しく包んでくれる。
今後僕の人生を大きく左右してしまう人物に地方巡業初日、巡り会う事を 誰が想像しただろうか?
僕は神の介在を感じた。
彼の名は「サートーマスノブリン」(松本日日参照)世間的にはMCAという
大企業のエクゼクティブの顔を持つ彼だが、それは仮の姿。
そう彼こそは、 僕の今後の指針となる人物「風俗公爵 サートーマスノブリン」・・・・・
この夜彼にいざなわれ、着いたその場所は「ふんどしパブ」目に映る謎の ”ふんどし”のロゴ文字も目眩を誘う。
しかし胸ときめかす僕の胸中。
知ってか知らずか「へび」の生殺しもとい「イナ」の生殺し。
福岡のネオンは、僕にどんな十字架を背負わせ様と言うのか?・・・・
「ふんどしパブ」は今もって閉店・・・・悲しみのクロスをまとい無情の
アスファルトにひざをかさねようとしたその時、
僕の足元に数枚のカードが、 カトレアの香りと共に舞い降りた。
それはMCAの名刺だった。
「我サートーマスノブリンである!」。
振り返り見上げるとそこには、黄金色のふんどしパブのネオンを背にあたかも 後光を放ちながら、
仁王立ちで勇然と僕を見おろす我が師ノブリンがおられた。
「あわてるでない下々の若者よ。このノブリン在る所、光はそそぐ!」
僕は思った「この男と出会うために、僕は生まれてきた」と。
頬をつたう液体を拭うことも忘れ僕は、師を見上げているしかなかった。。。




【 福岡編 ~その弐 】

僕は歩いていた。
正確に言うと自分の意志とは全く別の力によって、引きつけられて、それにいざなわれていた。
が僕は覚醒した。
彼もとい師「サートーマスノブリン」によって、僕は変態した。昨日までの僕は、
春を知らず春を待つだけのサナギ、今僕は、極彩色のノブリンにたかるハエにすらなり得る。
彼にいざなわれ、たどり着いたその場所は「制服パブ」。
店の中に一歩足を踏み入れると、ノブリンのカリスマにすべてのものたちが、
もう、ひれふすしかなかった。「ノブくんで~す。」師が第一声をはなった。
もう何も、何者もが、生ける者全てが、ノブリンワールドの奴隷に成る他に、すべは無かった。
女達はかしずき、男達すら感動の余りトランス状態に陥る者もいる。
「ノブくんで~す」。僕は思った、「ここで私の仕事は無い・・・」
もはや僕は、 なすすべもなく、ノブリンの教えを見て学ぶことしかなかったのである。
そう 彼は僕に「俺から盗めっ!俺は何も教授する事はない!俺を見て学べ!」
恥態の 森の中で、時折みせる僕に向ける視線で、そう語っていた。




【 福岡編 ~その参 】

前日の雪辱戦、「ふんどしパブ」「制服パブ」攻略!これ、今夜の僕のメインテーマ
師の背を眺めながら中洲のネオンシャワーを浴びて、僕は夜の街を滑って行く。
もう20年も師の背を見て来た様な安堵感にも似た不思議な感覚に、軽い戸惑いを憶えながらも足どりは滑らかだ。
最初に着いたその「土地」そこは高級クラブ。何を、もってして「高級」なのか?
金か?女性のグレードなのか?..はたまた3級4級、中級は有るのか?
様々な「?」が頭の中をとびかう...
そんな僕の想いを察っしてかノブリン、おもむろに、その重いドアーをケリ上げるっ「ノブ君だぁよっっっぉっぉおお」
さすがに師である。
恐る恐る僕も師の後を追って中に飛び込むと....
「なっ..なんなんだっ!?このっ身体を駆け抜ける異物感と拒絶反応はっ?」
そう、そこには鋼鉄のブランドに身を固め、いかにも話題豊富そうなインテリジェンス
溢れまくっている女達が深々と頭を下げ、
その全身から「イナ殺しプライド光線」を 発散させていた。
身体が、埋ってしまうがごときソファーに身を委ねるも僕の中の悪魔達が逃げて行く
「どうしたって言うんだ?稲田和彦!」僕は僕の中の悪魔達に叫んだ。
他の者達は自虐が如き宴を過ごし、時を連ねて居たが僕は...笛吹けど踊らず
..もとい、笛すら吹けぬ内に僕の中の悪魔達は一匹残らず...消え去った。
「師よ、我が望んだ、この土地は、我を壊してゆきます...」僕は心の中で、そう、つぶやいた。
すると店内の軽いBGMの4ビートが、薄い照明が一瞬途切れ、僕は時が止まった気がした。
「皆のもの!時は熟した!」そう!そこには片手にブランデーグラス片手に
高級ホステスを、天高く振り上げたサートーマスノブリンの姿があった。
彼はホステスとブランデーグラスを、その真紅のカーペットに叩きつけると、、、、
MCAの名刺と何本もの薔薇、そして彼の身体から発っせられる金粉を振り撒きながら
店のドアーを蹴り破り、店外に踊り出た。



【 福岡編 ~完結編 】

店の外で見た師「トーマスノブリン」の後ろ姿、それは、まさに戦国の武将の姿だった。
その時僕は悟った。
「これは師が私を試して、おられるのだ。」
再び夜の風に吹かれると 彼は言った...「小僧、、、土地は耕す物だ。」
僕は込み上げる物を抑えながら彼にならうまま次の土地(店)へ向かった。
そこに現れたのは..そう、あの夢にまでみた「ふんどしパブ」・・・
その名を呼べば 何時か母が暑い夏の日にイチゴにかけてくれた甘いミルクの香りを思い出す。
「ふんどしパブ」。
僕はこの土地で灰になる事を決めた。
サーノブリンはその黄金の扉に息を吹きかけると「アマテラスオオミカミ」の岩戸が 開くが如く、
今まさに、その封印はノブリンの手によって解き放たれた。
そこで僕が見た物は............?!
ふんどしはいた おねぇちゃん、そして
「あと30分で閉店なんで、すいませーん、またお願いしまーす。」と、店の人・・・。

福岡....『耕すべき土地、今だ、黄金眠る。』

福岡編.....完



【 松山編 ~その壱 】

初めて訪れる土地では日が沈むにつれ遠足前日の子供の様に高なる胸がいとおし くも思える。
明日のライブを最高の物にする為にも福岡での玉砕を肥に今夜も旅 立とう。
その前にまずは厄払い、僕はジョー、チロリン、キヨシ、ダイチャンと 共に道後温泉と言う湯場へとむかった。
レコーディングからの疲れとツアーまだ 前半というプレッシャーから、
ともすれば悲鳴を上げそうになるわが身を、まず は労ってやらねば...
湯に浸かると僕の「道具」も心無しか赤みと艶をとりも どし、どこか勇ましくも思える。
そんな「道具」に微笑みを浮かべながら愛でて いると「なに股間眺めてニヤニヤしてんだヨ」と
チロリンにつっこまれ僕の「道 具」もみるみる肩をすぼめた。
この浴場の中では口で説明するよりも遥かに鮮や かに高まる期待と興奮を「道具」が伝えてしまうようだ。
ぼくは身体の下のほう へ逆流してゆく血液達に平静を呼びかけるために頭の中、1人の男を想い描いた。
「TasteMasterGot.the Ⅲ」......。
暴れ馬が如き 血液達に平静が訪れた、、、。
僕は身体の超日常的変化の決着を確認すると、湯 を上がり真新しいトランクス〔松山仕様〕に足をとおした。
湯で上気した皆と共に飯屋へ向かう。日も、とっぷり暮れた。
身体が学生時分に 感じたスポーツ後の心地よい虚脱感に似た物に包まれ、
今宵、繰り広げられるで あろう酒地肉林の様を想い、軽い寒気が走る。
「いい、、感じだ.....」。
飯屋で味わうのも忘れ、膳にならんだ食べ物とビールを胃に、叩き込んだ。
もは や今夜の僕の口を通過する物は女人の物、部分、以外には何にも反応しないだろ う。
飲料はガソリン、食物は固形燃料、、、、そんな所だ。
ジョー、チロリン、 キヨシ、ダイチャンその他スタッフ達はなにやら温泉あとの宴会よろしく、
妙に 和んで、楽しそうだ。
「甘いな、お前達、、、ここは戦場なんだ、喰うか喰えぬ かイクかイケぬかの戦争なんだ。
料理や酒に溺れる者などに、天使の恥部をムサ ボル資格などない!」
僕はたぶん日中、食せば舌もはしゃぎ出しそうなフンワリ としたエビ天に食らいつきながら、思っていた。
9時を少しまわったころ、ぼくらは街に出た。
足の間の密林に獣が軽く、いなないた。